住宅ローンの選び方

住宅ローンの事前審査などの手続きを「不動産屋経由」で行うメリットとデメリットは?

物件を押さえるために、住宅ローンの事前審査だけまず通しておきましょう。

ウチの物件だと、●●銀行が審査は通り安いし、金利も特別に優遇してくれます。

後で繰上返済すれば良いので、今の住宅ローン金利ならたくさん借りておいた方が得ですよ!

不動産屋から住宅ローンについてこんなことを言われたことはありませんか?

  • まぁ楽だし、お得そうだし、任せておけばいいか…
  • 変に自分で動いて、購入したい物件が手に入らなかったら大変だ…
  • でも、どこまで信用していいの?
  • そもそもなんでこの人、わざわざ住宅ローンの手続きまでやっているの?
  • なんか主導権を握られている気がする…

色々と考えることがあるかと思います。

そんな不動産屋経由での住宅ローン手続きについて、
メリットとデメリットを1ページにまとめてみました!

不動産屋が住宅ローン手続きを代行する理由

なんで不動産屋さんが住宅ローンのことまでやっているの?

ふと疑問に思いますよね。

僕も住宅ローンの担当を始めたときは訳が分からなかったですが、実際に実務を経験してみるとその理由がよく分かりました。

理由は大きく2つあります。

理由➀:住宅ローンの整理ができると、不動産売買が前に進むから

不動産屋の目的は不動産売買を成約させ、仲介業者であれば不動産売買にかかわる仲介手数料を、マンションデベロッパーやハウスメーカーであれば自社物件の販売代金を手に入れることです。

住宅ローンは、いわずもがな不動産購入資金の元手となるものですが、決して仕組みが簡単な商品ではないですし、一生のうちで複数回借りる経験をする人はさほど多くありません。

実際に“不慣れ”という理由でスムーズに手続きができない人も多くいらっしゃいます。

ところが、住宅ローンでつまずいてしまうと、買手の資金が調達できないため、不動産売買が成立しなくなってしまいます。

であれば、「不動産売買を成立させるために買手の住宅ローン手続きを手伝ってしまえ!」という意図で、不動産屋さんは親切をしてくれるのです。

理由②:お客さんにサービス面で差別化したいから

ご存知のとおり、不動産売買は1件あたりの単価が非常に高いので、営業マンは1人のお客さんのためにできることを全力で行います。

「この人から買いたい!」と気に入ってもらえたら、営業の成約率はぐーんと上がりますからね。

そんな中、住宅ローンは手続きフローは長いし、金融機関数は多いし…と。
不動産売買に関する手続きの中でも特に、途方に暮れてしまいそうな分野ですよね。

営業マンにとってはこういう専門性が必要な分野は絶好のチャンスなんです!

住宅ローンの最新情報や仕組みを教えてあげたり、面倒な事務手続きを代行してあげることで、たっぷりとお客さんに恩を売ることが出来ますから、本業の不動産売買でも契約に近づけることができるという訳です。

不動産屋が代行している住宅ローン手続きの内容

それで、実際に不動産屋がどんな手続きを代行しているかというと、
実はたいしたことはやっていません。

  • 申込書のブランク箇所(物件情報など)を埋める
  • 申込書に添付する物件資料を用意する
  • 金融機関に申込を行う(FAXor直接持込)
  • 金融機関の担当者と打ち合わせをする(審査相談、必要書類確認、日程調整など)

いずれも素人がやれるかどうかと言いますと…何の問題もなくやれます!

田島
田島
実際に直接やり取りで対応している人もいますからね。

なので、必ずしも代行をお願いする必要はないです。

住宅ローンの手続きを不動産屋経由で行うメリット

さて。そんな不動産屋経由での住宅ローン手続きの具体的なメリット・デメリットをここから色々とお伝えしていきます。

まずは、メリットからです。

先ほど代行してくれる内容は素人でも行えるとお伝えしましたが、場合によっては不動産屋経由で行った方有利になるケースというのも確かにあります。

メリット➀:提携住宅ローンにより、金利をさらに引き下げできる

まず最大のメリットがこれです。

特定の不動産屋からの申込だけ金利が低くなるなんて、おかしくない?

と疑問に思うかもしれませんが、これは結構色んなところで行われています。

住宅ローンでは借入人の“信用力”が重要であることが容易に想像がつくかと思いますが、
実は購入物件でおおよその信用力って見えてくるんですね。

田島
田島
たとえば、都心のタワーマンションを購入する人って、よっぽどのお金持ちですよね。

とすると、全般的に高価な物件を扱っている不動産屋からの紹介案件であれば、“信用力”の高い人からの申込になる可能性が高くなります。

不動産屋
不動産屋
ウチ、いいお客さんたくさんいるんで、特別に金利下げてもらえませんか?
田島
田島
いいですよ。でも、たくさん紹介くださいね!

簡単にいうとこんな話が、不動産屋と金融機関の間でまとまっているんですね。

どんな不動産屋が金融機関と提携しているかというと、基本的には大手の不動産業者です。

 

また、“提携”といっても内容は2通りあります。

  1. 「●●会社提携住宅ローン」という形で商品化までされている
  2. 単に金利の引き下げ幅が一般申込より大きいだけ

商品化されている場合は、ローンの実行金がそのまま不動産屋の口座に直接入ったり、登記の手続きが簡略化されていたりと、実務的にも楽です。もちろん、金利も特別金利に引き下げされます。

 

いずれの場合も、一般には公開されていない低金利で住宅ローンを組める可能性だってあります。

インターネットでいくら調べても出てこない情報というのもありますので、
しっかりと内容を押さえ、最優遇条件であれば是非とも活用したいですね!

メリット②:事務手続きが楽になる

代行してくれる手続きは上記の様なレベルですが、自分で行わなくて済むのであれば物理的に楽できることは間違いありません。

特に、物件関係についての詳しい話は不動産屋さんは専門家なので、書類準備も金融機関対応もすんなり対応してくれます。

田島
田島
何でも自分で完結したい人にとっては、もしかしたら逆にむず痒いかもしれません。

メリット③:不動産売買の手続きがスムーズになる

不動産屋経由で住宅ローンを手続きすると、その内容をきちんと不動産屋が把握していますので、本来の趣旨通り、不動産売買自体がスムーズに回ります。

購入物件を探すに当たって売主に交渉しやすくなりますし、
スケジュール的な無理も対応が効くようになってきます。

不動産屋A
不動産屋A
ウチの物件は、買う気のないお客さんには紹介しないでくれよ。
不動産屋B
不動産屋B
●●市のマンションを希望してて、3,000万円の住宅ローン審査も通過済みの見込客がいるんですけど、その人には紹介してもいいですか?
不動産屋A
不動産屋A
お。そこまで話が進んでるんなら、案内してもらって結構だ。

メリット④:物件変更は再審査になるけど、審査に通った実績は残る

住宅ローンの審査は、申込人の申込内容と購入物件の状況がセットで判断されます。
ゆえに、購入物件が変わった場合には再審査が必要となります。

ただし、一度審査に上がった内容というのはその金融機関に記録が残っていますので、審査に一度通過すれば、他に大きな変化がない限り、同額の再申込はほぼ承認されます。

田島
田島
自身の信用面に特段変化がなく再審査で否認になってしまった場合には、変更後の購入物件に問題がある可能性が高いです。

物件変更後は担当の不動産屋が変わっているかもしれませんが、審査に一度通った実績は強みになるのです。

結果として、物件変更前の不動産屋に対しては、「代行手続きだけやってもらい逃げ」という行動を取ることになりますね。笑

メリット⑤:審査交渉が有利になる可能性がある

そんなことあり得えるの!?

以前、友人にこのメリットを伝えたら驚かれましたが、事実です。

特定の不動産屋経由の申込であると、若干ですが審査交渉が有利になる可能性があります!

しかし、本当に稀なケースですので基本的には考慮に入れなくて良いです。

 

僕の体験談をお伝えすると…

大手ハウスメーカーからのキーマンからの紹介案件で効果があったことが数回ありました。

審査役
審査役
この案件は厳しいだろ…。
田島
田島
審査役。この案件、●●社の営業トップの〇〇さんからついに預かった案件なんですよ。ここでコケたら、僕もう●●社出禁です。逆にこの審査通せたら、良好な案件がわんさかもらえます。
審査役
審査役
お前なぁ・・・。今回だけだぞ!

・・・という様なやり取りです。

100件に1件くらいですが、絶対に通らない様な案件でもこんな形で取り上げられるミラクルも存在はします。

田島
田島
実際に、その後●●社からの紹介が激増し、僕の営業成績は絶好調となりました!不動産屋と銀行はこんな関係を築いていきたいのです。

住宅ローンの手続きを不動産屋経由で行うデメリット

ここまではメリットをお伝えしてきましたが、
不動産屋経由での住宅ローン手続きにはデメリットもあります。

デメリット➀:不動産屋に事務手数料を取られるケースがある

これはケースバイケースなんですが、事務作業を代行している分、その手数料を請求されることがあります。

相場は大体10~15万円です。

自分でもできるような事務作業を代行してもらって、10万円取られるってあんまり納得できないですよね・・・。

しかも、滅多にいないですが、このことを後出しで言ってくる不動産屋も時々います。

手数料が発生する場合には、重要事項説明書にその旨が明記されますが、見落としてしまう可能性もありますので、早い段階で確認する様にしましょう。

デメリット②:不動産屋が付き合いのある金融機関しか紹介されない

先ほど紹介した提携住宅ローンのように破格の金利を提示してくれるケースももちろんありますが、現実はその逆であることの方が多いです。

つまり、最安値ではない金融機関しか紹介してくれないケースです。

不動産屋の立場では、あなたの住宅ローン金利が何%であろうと特に知ったことはないんです。

不動産売買が成立すること、そのためにあなたの住宅ローンが審査に通ることにしか関心がありません。

ですので、審査が問題なく通る金融機関だったり、自分が事務手続きの慣れている金融機関を紹介してきます。どれだけ魅力的な金利情報を知っても、今までに担当と会ったことのない金融機関は絶対に紹介してきません。

田島
田島
彼らの本職は不動産であって、あなたに合った住宅ローンを見つけなければならないという責任はありません。

実際に、僕も住宅ローン担当をしていた頃、他にもっと金利の低い金融機関があった中、不動産屋からの紹介で優良顧客のローンを何件も実行していました。

結果、一部のお客さんからは、不動産屋にとんでもないクレームが入っていたりしていましたね。。。

デメリット③:不動産屋の営業マンの情報やスキルに依存する

ここまで読んでいただけるとご察しがつくように、不動産屋に住宅ローン手続きを代行してもらう場合、その営業マンによって出来が大きく左右されます

不動産屋の中でも住宅ローンや税金などの金融分野に強い人、そうでない人が如実に分かれています。

優秀な営業マンが担当であれば信頼できますが、実はよく分からないまま話をしている様な人もいますので注意が必要です。

田島
田島
担当の営業マンの不出来のせいで、手続きが無駄に遅くなることもあります。

デメリット④:不動産屋に主導権を握られる

デメリット③に近い様で、逆の話です。

むしろ優秀な営業マンが担当の場合によくあるケースですね。

不動産屋からすると、少しでも売り上げを伸ばすために、高い物件をあなたに売りたいのです。

住宅ローンで物件価格と密接に関係してくるのは、借入金額です。

今後、追加で資金が必要となるかもしれませんので、事前審査では予算取りの意味で、高めの借入金額で申込しましょう!

…こんなこと言われていませんか?

 

事前審査を高い借入金額で申込するのは全く問題ありませんし、
むしろ教科書的な提案です。

 

僕がデメリットと思うのはむしろその後なんですね。

彼らは非常に話が上手いので、気付いたら高価格の物件に興味が移っており、
借入金額が当初は意向のなかった予算マックスになっていることがよくあります。

特に注文住宅ではオプションを色々と付けて、こんなに借りるつもりなかったのに…
という結果になることは非常に多いです。

田島
田島
住宅ローンに密に関与してもらうと、金額の主導権を相手に渡してしまい易いです。

もちろんご自身で納得しての結果であれば問題ありませんが、
優秀な営業マンは本当にセールスが上手ですからね!

【結論】不動産屋経由の住宅ローン手続きはメリットも大きいが、鵜呑みにすべきではない!

以上、住宅ローンの不動産屋経由での手続きについて、メリット・デメリットを紹介してきました。

メリットも、デメリットもあることをご理解いただけたでしょうか?

当然ながら、メリットだけ享受して、デメリットを取らないようにするのが一番賢いです。

 

具体的にどのように対応すべきかというと・・・

まずは、素直に提案を受け入れて、代行をお願いしましょう!

提携住宅ローンをはじめ、享受できるメリットはしっかり享受しておきます。

その上で、併行して自分でも探す!

このやり方が一番無難です。

田島
田島
不動産屋に代行を依頼しつつ、自分でも他の金融機関に直接申し込むスタイルです!

 

特に金利の低いネット銀行はどの不動産屋も提携していませんので、
不動産屋経由の住宅ローンが一番条件の良いローンではない可能性は大いにあります。

不動産売買のスケジュール上、十分な時間が取れないというケースも頻繁にありますので、少なくとも事前審査だけは早めに対応しておいた方が絶対に良いです。

田島
田島
不動産決済間近になると、スケジュールが間に合わないという理由で、新規申込を断念せざるを得ないこともあります。

ときたま「勝手に住宅ローンを選ばないでください」という様なことを言う不動産屋もいますが、選択の自由はあなたにあります。そんなことを言う営業マンであったら、担当替えしてもらった方が良いので強気にいきましょう!

なお、最高条件を引き出すための事前審査の申込方法は、こちらの記事↓に記載しておりますので、あわせてお読みください。

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