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住宅ローンを頭金なしのフルローンで借りるリスクとその旨味とは?

昔は住宅ローンを借りるときには、頭金(自己資金)を2~3割投入するのが当然でしたが、現在では頭金なしのいわゆるフルローンが増えてきています。

田島
田島
僕の感覚的には、3分の1~4分の1くらいの割合が頭金なしで住宅ローンを借りていますね。

一方で、

頭金なしで借りるって・・・無謀でしょ。危険にも程があるよ!

という考えもあります。

実際のところ、どうなんでしょうか?

住宅ローンを頭金なしで借りた場合のリスクと、逆にフルローンで借りる旨味を整理してみましたので、参考になれば幸いです。

住宅ローンを頭金なしで借りるリスクは数年後に実感する!

では、早速住宅ローンを頭金なしで借りることのリスクについて解説していきます。

一般的には2つ言われており、両方紹介しますが、
“頭金なし”という意味からして重要なのは1つだけです。

田島
田島
2つ目に紹介するリスクを特にご認識ください!

リスク➀:返済負担が重くなる

1つ目は、単純に“返済負担”が重くなることです。

借金が増えればその分リスクが増すことは感覚的にも分かりますよね?

 

“返済負担”といっても視点は2点あります。

➀月々の支払いと、②最終的な返済の2点です。

 

まず、誰もが考えるのは月々の支払いの方ですね。

借入金額が500万円増えれば、借入期間35年で組んでも月2万円前後も月々の支払いは増えてしまいます。

万が一支払いができなくなれば、金融機関に自宅を取り上げられてしまいます。

田島
田島
この負担感は既に考慮しているでしょうから、さらっと行きます。

 

もう1つ“返済負担”の観点で考えなければならないのが、最終的な返済についてです。

たまに何も考えていない人がいるんですけど、借りたお金は全額返済しないといけないんですよね。

定年退職した後もローンが残っていれば、無収入になろうとも返済義務は続きます。

「団体信用生命保険があるから、俺は死んで保険で返済するんだ!」なんてことを冗談半分で呟いている人もいますが、寿命は確実に伸びていますし、ガンなどにかかったとしても保険が下りる保証はどこにもありません。

60歳で完済とまではいかなくても、定年退職後の収入や預貯金で返済できる程度の借入金額にしておかないと、老後にまさかのホームレスになってしまいます

 

借入金額が増えると、“返済負担”の観点でこういったリスクが増してきます。

 

ところが…、実はこれって“頭金なし”かどうかという論点とは関係がありません

  • 3,000万円の物件購入に対し、頭金500万円2,500万円を住宅ローンで借りる
  • 2,500万円の物件購入に対し、頭金なし2,500万円を住宅ローンで借りる

頭金の有無は違えど、“返済負担”は全く同じですよね?

フルローンが危険だと言われる理由は、むしろ次に紹介するリスクの方に本質があります。

リスク②:自宅の売却ができなくなる(重要!)

  • 3,000万円の物件をフルローン3,000万円で購入する

こんなケースを考えてみましょう。

諸費用の話を抜きにすると、これは購入当初は健全な状態です。

もし自宅が不要になれば、同額で買ってくれる人がいるでしょうから。

ところが…

2年後、不動産価格が全国的に暴落しました・・・

この瞬間、一気にアウトになります。

もう引っ越しをしたくても自宅を売却することができません!

 

2年経てば建物の経年劣化も考慮する必要があるので、当初3,000万円の物件価値があった自宅も、恐らく2,700~2,800万円程度に価値が下落しているでしょう。

これに加えて、マーケット価格がもし10%下落していたら…
2,500万円で値がつくかどうかという状態ではないでしょうか。

 

一方で、2年でローンの返済がどのくらい進んでいるかというと、
借入期間35年、元利均等返済で借りていたら、大体100万円くらいです。

つまり、住宅ローンの残高は2,900万円残っています。

 

2,500万円で自宅を売却しても、ローンの返済には400万円足りませんよね!

住宅ローンを完済できないのであれば、金融機関は担保を解除できません。
担保解除がされていない物件を購入する人間は誰もいません。

・・・もうどうしようもないです。

不足分の400万円を手許資金などで用意できればローン返済に充当して解決できますが、そうでなければ売却したくてもできない状態に陥っていまうのです。

田島
田島
株式投資でいうところの「塩漬け」の状態です。

 

もし、頭金を2割入れて当初の住宅ローンが2,400万円であったら…
売却代金をローン返済に充ててもお釣りが来る状態でしたよね。

リーマンショック後、住み替え難民が大量に発生した!

このリスクを痛感したのは、僕がまさに住宅ローンの担当をしていた2010年前後です。

田島
田島
リーマンショックで不動産価格が大きく下落した後の時期です。

僕はハウスメーカーからの紹介案件を多く担当していたのですが、

マンションを買って住んでいるんだけど、子供が大きくなり手狭になってきたので、戸建に住み替えたい!

というお客さんが多くいらっしゃいました。

こういったお客さんからの相談内容はほとんど決まっていました。

申込人
申込人
今のマンションを売却してもローン返済に1,000万円くらい足りないんですけど、どうにかなりませんか?
田島
田島
不足分を自己資金か無担保ローンで調達して(めちゃ金利高いけど)補うしかありませんね。

一応、新しく借りる住宅ローンに不足分の金額を乗せるという方法も形式的にはあったんですが、全く審査に通過しませんでした。

また、こんな相談もありました。

申込人
申込人
今のマンションは売却できないので賃貸に回して、新しい家の住宅ローンを借りたいんですけど…できますか?住宅ローンって1本しか組めないって聞いたことがあるんですが…。
田島
田島
2本組んでも収支が回るのであればウチは対応しますけど、賃貸収入は審査収入に見れませんので、2本分の住宅ローンを返済できる収入かどうかで判断します。あと、今借りている金融機関さんにはちゃんと許可を取ってくださいね。

こちらも事実上不可能な話でした。。。

 

一方で、住み替えに成功したお客さんも何人もいました。

こういう人はやはり、当初借入時にしっかりと頭金を入れていましたね!

田島
田島
「物件価格が下がってしまったのは残念だけど、最初に頭金を入れて良かった」と口を揃えて言っていました。

 

現在、不動産価格は非常に高騰しており、オリンピック後の価格下落も囁かれていますので、
売却の可能性があるのであれば慎重に計画することをお勧めします。

今が良くても、数年後に困るリスクがあることをしっかりと認識しましょう!

そもそも頭金なしで借りられるの!?フルローンの審査実態を解説!

頭金なしだと不動産価格が下落した際に、自宅を売却してローンを完済できない可能性があることを説明してきましたが、このリスクを申込人以上に認識しているのが住宅ローンを貸出する金融機関です。

購入物件に一生住む予定の人であれば、価格が下落してもあまり気にならないかもしれませんが、金融機関側は、万が一住宅ローンが返済されない場合、その物件を売却して債権回収を図るつもりでいます。

そして、住宅ローンの延滞がいつ起きるかは分からないので、どんなマーケット環境であっても食いっぱくれがないような保全を考えています。

田島
田島
銀行は“防御力”高めです!

だから、一昔前は頭金が2~3割入っているか、土地持ちでないと住宅ローンを組むことができなかったのです。

今はだいぶ環境が変わってきましたが…
依然として考え方自体は変わっておらず、金融機関内にリスク意識はもちろんあります。

どんな人、どんな金融機関であれば、頭金なしでも住宅ローンを借りることができるのか?
審査の実態についてお伝えします。

都市銀行、ネット銀行では頭金なしのハードルは今でも高い!

審査が厳しいと言われている都市銀行、ネット銀行では、
頭金なしでの審査突破はハードルが高いです。

こういった銀行では、返済比率や年齢よりも「担保掛目」の観点を大事にして審査を行っています。

「担保掛目」とは・・・

金融機関の担保評価額に対する借入金額の割合。
(担保掛目=借入金額÷担保評価額)

たとえば、購入物件の担保評価額が3,000万円であるのに対し、借入金額が2,700万円であったら、担保掛目は2,700万円÷3,000万円=90%となる。

新築の物件であれば、担保評価額は購入価格とするのが一般的。

つまり、3,000万円の新築マンションをフルローンで借りる場合には、担保掛目は3,000万円÷3,000万円=100%と見做される。

僕がいた銀行では、審査の際に一番最初に考えるのが担保掛目だと言われていれました。

申込人の属性に応じて、どのくらいの担保掛目であれば許容できるのか?

まずはそこの判断から入ります。

可もなく不可もなくという場合には、担保掛目90%が目安になります。

転職直後とか、年収の安定感が低い業種にお勤めの人は担保掛目80%、
自営業者の場合には担保掛目70%などといった目線でしたね。

 

本ページでテーマとしている頭金なしというのは、要するに担保掛目100%のことを指します。

担保掛目100%がOKな属性は、基本的に公務員、上場会社勤務で、転職やその他借入など減点要素がない人に限られていました。

田島
田島
もちろん柔軟に、非上場でも上場会社に準ずる様な会社にお勤めの人などは100%で認められていました。勤務先の評価は、主に帝国データバンクの評点で判断されます。

また、借入金額の大きさも担保掛目を設定する上で関わってくる要素で…

金額が大きければその分リスクも大きくなるので保守的に、
金額が小さければ回収不能でもダメージが少ないし、価格下落幅も僅少になるので甘めに評価するようになっています。

 

都市銀行やネット銀行は金利が低いところが多いですが、
頭金なしの場合は、このように選ばれし者のみが審査突破できるというのが実態です。

地方銀行や信用金庫であれば、頭金なしでも対応してくれやすい!

一方、地方銀行や信用金庫であれば、現在は頭金なしでも比較的審査に通りやすいです。

実際に、都市銀行やネット銀行でフルローンを借りれなかった人が、こぞって申込しています。

地方銀行はブランド力に劣る分、幅広に案件を拾いたいという方針もありますし、
信用金庫などは“地域貢献”がアイデンティティですから、申込に真摯に対応してくれます。

田島
田島
僕は、地方銀行にフルローン希望のお客さんを何件も奪われていました。

ただし、都市銀行やネット銀行同様、頭金なしだと最優遇の金利にはできないという条件がついている金融機関は多いですね。

借入金額を余計に増やすメリットとデメリット

ここまで主に住宅ローンを頭金なしで借りる場合のリスクについて言及してきましたが、そんなリスクを踏まえながらもフルローンにこだわる人も多いです。

それも、頭金を投入する余力がありながらもフルローンというケースがよくあります。

田島
田島
いってみれば「無駄に借りている」人ですね。

当然“旨味”があるからこその行動なんですが、

…なぜこのようなことしているのか?

余計に借りることのメリット、デメリットについて触れていきたいと思います。

ちなみに、「預貯金がないためフルローンしか選択肢がない!」という人もいますが、そういう人はここまで説明してきたリスクについても慎重に考えてみた方が良いです(個人的にはオススメしていません!)。

メリット➀:低金利の住宅ローン&住宅ローン減税を有効活用できる

現在、住宅価格は高騰真っ只中ですが…
住宅ローンについてはこれまでにない好条件が整っています

  • 金利がかつてない程に低い
  • 住宅ローン減税(ローン控除)が手厚い

 

まずご存知かと思いますが、住宅ローンの金利はかつてない程に低いです。

変動金利だと0.5%前後で貸出している金融機関も数多くあります。

しかも、この低金利は市場環境的に低くなったというより金融機関間の競争で低くなったという背景が要注目です。

基準金利が下がったのではなく、金利の引き下げ幅が拡大、つまり金融機関の利鞘が減って実現しているものなんです。

なので、この先金融市場がどうなるか分かりませんが…
個人的には状況が変わっても、そこまで大きな金利上昇はないんじゃないのかな?と思っています(あくまで個人的な予想です)。

田島
田島
マーケットと連動している基準金利は、ここ10年、さほど上下していません。

 

また、住宅ローン減税についても魅力的な制度が敷かれています。

上限があるので要注意ではありますが、
借入から10年間は年末のローン残高の1%が所得税と住民税から控除(還元)される仕組みになっています。

田島
田島
住宅ローン減税は、住宅購入を促すための経済政策です。

 

住宅ローン金利と、住宅ローン減税の控除率を比較すると面白い結果になります。

なんと!

支払う利息よりも、住宅ローン減税で戻ってくる税金の方が大きいのです!

つまり、現在の住宅ローンについては多く借りた方が得になる」という異常な現象が起きているんですね。

 

もちろん、適用となる住宅ローン金利がいくらになるか、住宅ローン減税がいくらまで使えるか(住宅要件や、税金の納付状況による)で変わってきますが、
条件に合致している人にとっては借りられるだけ借りた方が得ですよね。

田島
田島
現在の税制では、これから住民を購入する人は住宅ローン減税が10年間対象となりますので、11年目に大きく繰上返済を計画している人が多いです。

メリット②:手許に資金を残せる

もう一つ紹介するメリットは、手許に資金を置いておけることです。

マイホーム資金として用意した預貯金であっても、全額頭金に投入してしまうとやはり心許ない部分もありますよね?

  • 何かで緊急的にお金が必要となるかもしれない。
  • そんなとき、手許に資金が全くなかったら消費者金融に行くしかなくなる?
  • それだったら金利の低い住宅ローンで多めに借りといた方が安心だ。

こんな気持ちで、頭金を投入しないという人も散見されます。

田島
田島
お金が手許にないと不安な気持ちもよく分かります。

ただし、本来計画していた金額まで繰上返済できる用意をしておくことは重要です。

それこそ万が一自宅の評価が値下がりしたときに、身動きが全く取れなくなってしまいます。

デメリット➀:保証料(融資手数料)の支払いが増える

借金が嵩めば当然良いことばかりではありません!
以下、借入金額を余計に増やすデメリットについても触れていきます。

先ほど住宅ローン金利が、住宅ローン減税の控除率より低いということをお伝えしましたが、住宅ローンにかかる費用のうち大きいものでは、金利の他に「保証料」というものがあります。

保証会社を使っていない住宅ローンの場合には「融資手数料」が代わりに存在します(稀にないところもあります)。

この保証料、融資手数料は、いずれも借入金額に比例した料金設計になっています。

田島
田島
住宅ローンの借入金額を1.1倍にしたら、保証料(融資手数料)も1.1倍になるということですね。

なので、金利が安いからといって借入金額を増やすと、こういった諸費用の部分が地味に嵩んできますので、その点は知っておいた方がいいです。

田島
田島
細かいところでは、登記費用印紙代も借入金額に比例して負担が増えます。

なお、保証料は金利に上乗せすることも可能ですが、一括前払いで支払った方が基本的にはお得です。

デメリット②:適用金利が高くなる可能性がある

審査の項目でも少し触れましたが、借入金額を増やすと、住宅ローンの金利が高くなる可能性があります。

住宅ローンの金利は、「基準金利」がまずあり、そこから「金利引き下げ幅」が案件毎に設定され、適用金利が決められる仕組みになっています。

今、金利が非常に低いのは「金利引き下げ幅」が金融機関間の競争により大きくなっているからです。

ところが、この「金利引き下げ幅」は“個別に”設定される仕組みになっているんですね。

Aさんは店頭金利から▲2.0%引き下げするけど、Bさんはちょっと危ないから▲1.8%までしか引き下げしないでおこう!

こういうこと↑が実際に行われています。

“個別に”と言いましたが、金融機関も企業ですので実際にはルールに基づいた運営がされています。

そして、そのルールに大きく関わってくるのが借入金額なのです。

詳細はこちらの記事で説明していますが、少なくとも借入金額を増やすと金利引き下げ幅が小さくなる可能性が上がるということだけは頭の片隅に入れておきましょう!

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まとめ

以上、住宅ローンを頭金なしのフルローンで借りる場合のリスクとその旨味について説明してきました。

今は不動産マーケットが好調ですので、リスクが顕在化していませんが、近い将来また大きな下落が来るだろうと僕は踏んでいます。

頭金を入れるにしろ、入れないにしろ、将来のリスクを踏まえたシナリオを持っておくということは大切ですので、後で後悔しないよう資金計画もしっかりと練ってマイホーム選びを進めていきましょう!

 

銀行で住宅ローンの担当をしていた頃…。

審査のやり取りの際は「頭金なしとか、この人無謀だよ!」なんてぼやいていましたが、
お客さんとお話をしていると、多くの人がフルローンを望んでいることがよく分かりました。

僕自身はまだ住宅ローンを借りたことはないんですが、実際に借りるときは恐らくフルローンを希望すると思います。

 

僕のいた銀行は特に、頭金なしにシビアでしたが、金融機関毎で方針は大きく異なるのも事実です。

借入金額や適用金利は、事前審査を行ってみないとはっきりした答えが出てきません。一度借りてしまってはもう変更は効きませんので、悔いの残らぬよう色んな金融機関と接触してみましょう!

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