住宅ローンの選び方

年収400万円でも住宅ローンは借りれる!?借入可能額、適正金額はいくら?

日本人男性の年間給与額は300万円超400万円以下の構成比が一番高く、
住宅ローンの申込基準は多くの金融機関で年収400万円以上となっています。

そこで気になるのが・・・

  • 年収がちょうど400万円の場合、実際のところ住宅ローンって借りれるの?
  • また、借りれる場合の上限額はどの程度なの?
  • 年収400万円で住宅ローンを組んだらどういう生活水準になるの?

といった点ではないでしょうか。

銀行で住宅ローン担当を行ってきた視点から「年収400万円の住宅ローン」について考察してみました!

年収400万円なら住宅ローンの上限額は2,000万円で見るのが妥当!

結論としては、年収400万円の人の住宅ローン上限額は2,000万円程度と見るべきです。

住宅ローンの審査上はもう少し上乗せできる余地はなくもないですが、
生活実態を考えると2,000万円でも少し重たいかなという感触です。

同じ年収400万円であってももちろん色んな背景がありますが、
ここでは、夫1人の収入で今後も同程度の年収水準が続いていくケースを想定しています。

実際にシミュレーションを行ないながら収支を考察してみましたので、
詳細を見てみましょう!

年収400万円の住宅ローン審査を考察

まず、金融機関内での審査目線で年収400万円で住宅ローンを申込した状況を見てみましょう。

審査の細かい話は審査基準について書いた記事をご参照していただくとして、
このページでは年収400万円という数字だけに着目して、借入上限額がどの程度かを見ていきます。

 

住宅ローンの審査で、年収が判断根拠となるのは主に「その年収で月々の返済負担に耐えられるか?」という視点です。

田島
田島
審査内では「返済比率」や「キャッシュフロー」という指標が判断軸となります。

また、住宅ローンの審査では「最終的に返済し切れるだけの返済力が申込人にあるか?」という視点で、60歳を迎えたときの住宅ローン残高を確認しています。この定年時残債が大きいか小さいかを測るべく、退職金や毎月の支払い余力を見ており、その参考としても年収は審査の材料になっています。

田島
田島
60歳のときの住宅ローン残高を、業界用語では「定年時残債」と呼んでいます。

これらの指標を調べていったとき、年収400万円の申込の場合には、借入金額2,000万円が一つの上限目安となります

 

年収400万円に対する「返済比率」、「キャッシュフロー」、「定年時残債」を確認してみると下表の通りになりました!
借入金額、借入期間、借入時の年齢を次の通りにケース分けして、ケース毎にそれぞれ算出しています。

  • 借入金額:3,000万円、2,500万円、2,000万円、1,500万円
  • 借入期間:35年、30年、25年、20年
  • 借入時の年齢:30歳、35歳、40歳、45歳

まず借入金額3,000万円の場合を見ると、とても生活できる水準ではありませんね。銀行の住宅ローン審査を通過できる見込みははっきりいってありません。

借入金額2,500万円の場合もかなり厳しいです。
借入期間35年のときには返済比率は33.2%ですから一応土台には乗りますが、このときのキャッシュフローは15.6万円ですから、独身でもない限りやはりかなり厳しいです。定年時残債の観点からも30歳前後での借入でないと、借入過多の感が否めません。

借入金額2,000万円で、月々の返済額がギリギリ認められる水準になってくるか…というラインになります。
この場合も、借入期間35年でなんとかという感じです。30年は結構キツイですね。
定年時残債も35歳を過ぎるとだいぶ重たい印象があります。

田島
田島
審査上の返済額は毎月9万円前後となっています。これで月々の収支を見ると、生活費はカツカツです。定年時に1,000万円近くの残債があるのも「返済できるの?」という疑問符が浮かびます。

借入金額1,500万円になると、年収相応の返済負担になってきます。
年齢に応じて借入期間の調整余地も出てくる金額感です。

田島
田島
1,500万円程度の借入金額だと、支払いが現実的に見えてきます。1,500万円~2,000万円の間くらいが上限と見る金融機関が多いかと思います。

以上から、年収400万円の申込に対する借入上限は2,000万円程度と見込みます。
審査目線では2,000万円でも負担感は大きいという見え方で、できれば1,500万円~2,000万円弱までに抑えて欲しいというところかと思います。

年収400万円で2,000万円を借りた場合の実態を考察

ここまでは審査の目線から年収400万円の住宅ローン申込を見てきましたが、
ここからは実際の返済金額、生活費について触れていきます。

そもそも住宅ローンの審査では「審査金利」を基にシミュレーションがなされていますが、
実際の住宅ローン金利はもっと安いですからね。

「審査金利」…住宅ローンの審査において使用される金利。金利上昇のリスクなどの踏まえ、3.0~4.0%程度で設定されている。金融機関毎で審査金利は異なるが4.0%を採用しているところが多い(先ほどの表も4.0%を採用)。なお、フラット35の場合、審査金利は当該月の実行金利(現在だと1%台)が採用されるので、返済比率の計算などで有利に働く。

年収400万円の月々の手取り金額は26万円

年収400万円の場合、税金等を引いた手取り金額は約320万円と言われています。

実際には、月給とボーナスとに分かれてもらって貰っている人がほとんどでしょうが、単純化のために全て月給でもらったとすると月々の手取り金額は以下の通りになります。

  • 3,200,000円÷12ヶ月=266,666円/月

この26万円を基に、食費や生活費、教育費、交際費などを支払っていく形になります。

田島
田島
ボーナス分もならして計算していますので、実際の毎月の手取り金額はもっと少ないはずです。

住宅ローン返済後に残る金額は20万円に満たない!?

住宅ローンを借りると、賃貸の家賃支払いの代わりに住宅ローンの返済負担が毎月襲ってきます(別途、固定資産税の支払いや修繕費の積立なども発生します)。

先ほど借入上限の目安とした2,000万円を借りた場合に、手許に残る金額を見てみましょう。

金利は金融機関毎で異なるのと、変動金利/固定金利で変わってくるので複数パターンを計算しました。

固定資産税や修繕積立金などにかかる金額を月2万円と仮定すると、いずれのケースでも手許に残る金額は20万円を切ってくる計算になりますね。

正直、かなりカツカツの生活になるかと思います。将来のための貯金や、家族旅行に充てる資金の捻出は非常に厳しいでしょう。

田島
田島
金利が上昇してしまった場合のインパクトも非常に大きいです。

 

ちなみに、借入金額を1,500万円にした場合には、このようになります。

月々の支払金額を1~2万円程減らすことができます。また、元本が少なくなる分、金利が上昇してしまっても増加する利息が僅少で済みます。

田島
田島
これなら、諸費用を含めても毎月6~7万円程度の支出で済みますね!

住宅ローン減税による還付金で住宅ローン残高の1%が戻ってくる!?

住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)の要件を満たせば、新規借入から10年間は住宅ローン残高の1%分が、所得税および住民税から税額控除となります。

借入残高が2,000万円であれば20万円、借入残高が1,500万円であれば15万円が年間で戻ってきますので、かなり嬉しい制度ですね。

ただし、住宅ローン減税には上限額があるので要注意です。

住宅ローン減税の上限額
  • 所得税は納税額の満額まで
  • 住民税は納税額の満額or13.5万円の低い方まで

物件要件に加えて、上記の様な上限が定められています。

扶養家族が多いと、住宅ローン残高の1%が控除上限額を超過する可能性も出てきますので、住宅ローン減税をアテにする際にはしっかりとシミュレーションを行ってから借入金額を決定しましょう。

 

まとめ
  • 金融機関側の目線では1,500万円~2,000万円が、審査的な借入上限になってきそう。
  • 生活実態で見ても、借入2,000万円は生活に全く余裕がなくなることが想定される。1,500万円だとかなり現実的で、金利上昇時のリスクも軽減される。
  • 住宅ローン減税は、自身の所得、扶養控除で上限が変わってくるので、確認してから借入金額を決定したい。

年収400万円で2,000万円超の住宅ローンを借りるには?

2,000万円の住宅ローンが重たいことはよく分かった。でも、どうしてもそれ以上借りないと行けないんだよ。

という方も少なからずいらっしゃると思います。

そこで、年収400万円で2,000万円超の住宅ローンを借りるための方法について、紹介していきます。

田島
田島
大手行からの借入を希望する場合は、1,500万円~2,000万円の借入であっても、正面切っての申込は跳ねられてしまう可能性が高いのが実態です。

方法➀:共働きで収入を増やす

一番現実的なのがこの方法です。

夫一人の収入では返済負担が大きいのであれば、共働きにして収入を増やせば良いのです。

住宅ローンには「ペアローン」「収入合算」というスキームがあります。

 

「ペアローン」というのは、夫婦それぞれが債務者となり、2本の住宅ローンでマイホームの購入資金を調達する方式です。

田島
田島
たとえば、合計3,000万円の借入を夫婦それぞれで1,500万円ずつ調達する形です。夫2,000万円、妻1,000万円などと割り振りを変えることも可能です。

住宅ローン減税は夫婦それぞれで適用となるので、その恩恵を享受しやすくもなります。

「ペアローン」の場合には、両名ともが審査を受けることになるので、妻(家計によっては夫)も正社員でないと成立し難い方式です。

また、大手行ほど収入の安定性について見方が厳しいので、メイン登場人物が2人出てくるこの方式は敬遠されがちです。

 

一方で、「収入合算」というのは、夫(または妻)を主債務者とし、妻(または夫)が連帯保証人として収入を補完する形式です。

主債務者の年収に、収入合算者の年収の2分の1を加算し、審査年収とするのが一般的です。

田島
田島
この場合は、仮に3,000万円を調達するのであれば、審査年収がパワーアップした夫(または妻)名義で3,000万円の住宅ローンを組む形となります。

「収入合算」の場合にはあくまで債務者は一人なので、ローン減税を受けられる対象はその一人だけです。

契約社員やパートであっても、収入合算者になれる場合がほとんどです。

 

実際に、いずれかの形式を取って、年収400万円でもそれなりの金額の住宅ローンを申込する家計は多くいらっしゃいます。

田島
田島
借金ではありますが、夫婦の絆が深まる共同作業ですね!

方法②:貯金を金融機関に開示する

既に貯めている(あるいは贈与などで受け取った)資金がなければ実現できない方法ですが、貯金を金融機関に開示することの効果は大きいです。

できれば給与振込口座としてその金融機関を指定し、普通預金に入金された状態をアピールしたいですね!

金融機関からすると、普通預金の残高が多くあると、月々の収支が苦しくなった場合でも返済できる原資があるんだなと安心ができます。

もちろん、預金があればいくらでも借りれる訳ではありませんが、
実は想像以上に効果がある方法です。

田島
田島
しかも、なかなか知られていないアピール方法です!

方法③:フラット35で調達する

生活実態的には変化がないので、個人的にはあまりオススメしていませんが、住宅金融支援機構と民間金融機関が共同して融資を行う「フラット35」を活用すると、融資金額を伸ばしやすいです。

これは簡単にいうと、審査が通りやすいからです。

「フラット35」では審査金利が当月の実行金利(今だと1%台)ですので、通常の審査金利(3.0~4.0%)と比較して、返済比率の計算が優位になります。

また、審査も形式的に行われるので、収入の安定性がどうとか、担保評価がどうとかといった理由で否認されにくいのが実態です(全くないわけではありません)。

年収400万円の住宅ローンまとめ

以上、年収400万円で住宅ローンを組む場合の、審査上および生活実態を勘案したシミュレーション上の上限金額と、さらに借入金額を伸ばす方法について書いてきました。

正直言って、年収400万円の返済原資で長期の住宅ローンを組むのはリスクがそれなりに高いです。なので、僕もこの記事を書くにあたっては、年収500万円の住宅ローンについて書いた記事と比べてやや消極的なトーンにしているのが本音です。

借入金額1,500万円前後だと、郊外の中古物件などしか購入できないかもしれませんが、大きな借金をしてまでマイホームに注力すべきではないのでは?と個人的には思っています。

田島
田島
不動産市況もいつ崩れてしまうか分かりませんので、1,500万円くらいまでにしといた方が良いのでは!?

冒険しても良いケースとしては、

  • 夫婦ともに今後も継続的に収入がある
  • これまで蓄積してきた預貯金や、親からの援助金など資産の後ろ盾がある

この2パターンのいずれかが恐らく現実的ではないかと思います。

そして、金融機関毎で見方が変わってくるので、この2パターンであっても必ず複数の金融機関に事前審査をかけて、金利を含めた条件交渉に持ち込むのが鉄則です。

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