住宅ローンの選び方

年収500万円に見合った住宅ローン金額はいくら?審査判断と生活実態を紹介!

国税庁の民間給与実態調査によると、平成29年の正規雇用者の平均給与は494万円/年となっています。

これを踏まえ、おおよそ年収500万円の人が住宅ローンを検討していることが多いと考え、「年収500万円に見合った住宅ローン」について考察してみました!

  • 審査上どこまで借入が可能か?
  • 住宅ローン借入後の生活費はどういう水準になるのか?
  • さらに多く借りたい場合には、どうしたら良いか?

といった内容を1ページにまとめました。

年収500万円であれば住宅ローンは2,500万円までが妥当!?

先に結論からお伝えすると、年収500万円での住宅ローン申込の借入上限は2,500万円が目安です。

ただし、これはあくまでも目安であって、年収500万円の人は実は非常に多くのケースが想定されるため、審査の面も、実際の生活費の面も、前提に応じて捉え方が大きく変わってきます。

  • 年収500万円は、年齢次第で高いとも低いとも取れる(20代の500万円と、50代の500万円では全く意味合いが違います)。
  • 勤務先や勤続年数によって、今後年収が上がるのか、横ばいなのか、下がるのか変わってくる。
  • 妻(もしくは夫)が専業主婦なのか?パートなのか?正社員なのか?で、生活費の負担度が大きく変わる。
  • 扶養家族の人数でも、生活費の負担具合は違う。

など、同じ年収500万円であっても、それぞれの前提が全く異なりますので、一概に2,500万円が上限だとは言えません。

とはいえ、目安の金額がないと借入金額を考えにくいので、今回色々とシミュレーションを行いました。その結果、定量的に出てきた借入上限金額が2,500万円です。
年収倍率的にも5倍(=2,500万円÷500万円)で、若干負担感はあるものの適正範囲内といった感じです。

以下、➀審査目線、②実態目線を見ていきます。

  • 審査目線では…内容次第では3,000万円以上の借入も可能性はあり。ただし、2,000万円~2,500万円であっても年齢や勤務先によっては過大と判断されることもある。
  • 実態目線では…2,500万円までの借入であれば、ゆとりはないものの特段生活に無理は生じない。

結論としてはこんな感じです。

では、それぞれ詳しくみてみましょう。

年収500万円の住宅ローン審査を考察

住宅ローンの審査内容については、こちらの記事をご参照ください。

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この記事内では、頭金の割合担保掛目といった考え方も説明しています。

住宅ローンの審査では、年収の大きさよりも、年収の安定性がまず先に判断され、
その安定性に見合った担保を設定する必要があるという考えです!

以下の話は、こうした年収の安定性の観点は問題ないと評価された前提で進めていきますね。

 

住宅ローンの審査で、年収が判断根拠となるのは主に「その年収で月々の返済負担に耐えられるか?」という視点です。

田島
田島
審査内では「返済比率」や「キャッシュフロー」という指標が判断軸となります。

また、住宅ローンの審査では「最終的に返済し切れるだけの返済力が申込人にあるか?」という視点で、60歳を迎えたときの住宅ローン残高を確認しています。この定年時残債が大きいか小さいかを測るべく、退職金や毎月の支払い余力を見ており、その参考としても年収は審査の材料になっています。

田島
田島
60歳のときの住宅ローン残高を、業界用語では「定年時残債」と呼んでいます。

これらの指標を調べていったとき、年収500万円の申込の場合には、借入金額2,500万円が一つの上限目安となります

 

実際に、年収500万円の申込について検証してみたので、一緒に見てみましょう!

年収500万円に対する「返済比率」、「キャッシュフロー」、「定年時残債」を確認すべく、借入金額、借入期間、借入時の年齢を次の通りに場合分けして、それぞれ算出しました。

  • 借入金額:4,000万円、3,500万円、3,000万円、2,500万円、2,000万円
  • 借入期間:35年、30年、25年、20年
  • 借入時の年齢:30歳、35歳、40歳、45歳

その結果が下表の通りです。

まず、借入金額4,000万円、3,500万円の場合を見ると、いずれの借入年数でも返済比率が35%(=上限として設定されることの多い水準)を超過しています。この時点で返済負担が重いと見られ、満額承認は難しいです。

次に、借入金額3,000万円の場合を見ます。借入期間が30年以上の場合には、返済比率はなんとか35%以内となっており、キャッシュフローは扶養家族1人であればギリギリ賄える程度となっています。定年時残債は借入時の年齢で変わってきますが、30代前半であればどうにか1,000万円未満に抑えることができる水準ですね(30代後半以上だとやや厳しい)。

とはいえ、年収500万円で借入金額3,000万円は審査判断としてはかなり際どいラインになります。表面上の基準はギリギリ満たすものの、どちらかというとやや劣勢という見方になります。大手行の場合、勤務先が堅い大企業だったり、自己資金が1割以上拠出されているなどのプラス要因がないと、恐らく満額承認は難しいでしょう。

最後に借入金額2,500万円、2,000万円の場合です。
ここまで金額を抑えると、借入期間を長期で取れば返済比率も20%台となってくるので、月々の支払い負担の観点からはどの金融機関の審査でも通過可能性は高いと思われます。
定年時残債についても30代の申込であれば誰でも許容範囲といえる水準です。

ただし、借入期間、年齢によっては定年時残債が少し大きいです。たとえば、40歳で2,500万円、35年の住宅ローンを借りると、計画通りに返済したとしても60歳のときに1,490万円の残債が残る計算になります。決して支払えない程の金額水準ではないかもしれませんが、定年を迎えて安定した収入がなくなってもなお、1,500万円近くの借金が残っているって結構重たいですよね。この場合、借入期間の短縮や減額が条件になってくるかもしれません。

田島
田島
定年時残債については、年収も参考となりますが、より重視されるのは勤務先と勤続年数です。退職金がどこまで期待されるかを踏まえ、審査ではその過大感をチェックしています。一概には言えませんが、40代以上で年収500万円だと、退職金見込は1,000万円程度で見られることが多いです。

以上から、年収500万円の申込に対する借入上限は、標準的な目安としては2,500万円と判断します。
そして、プラス要因があれば3,000万円マイナス要因があれば2,000万円までといった形に変わってきます。

年収500万円で2,500万円の住宅ローンを借りた場合の実態を考察

ここまでは審査の目線から年収500万円の住宅ローン申込を見てきましたが、
ここからは実際の返済金額、生活費について触れていきます。

そもそも住宅ローンの審査では「審査金利」を基にシミュレーションがなされていますが、
実際の住宅ローン金利はもっと安いですからね。

「審査金利」…住宅ローンの審査において使用される金利。金利上昇のリスクなどの踏まえ、3.0~4.0%程度で設定されている。金融機関毎で審査金利は異なるが4.0%を採用しているところが多い(先ほどの表も4.0%を採用)。なお、フラット35の場合、審査金利は当該月の実行金利(現在だと1%台)が採用されるので、返済比率の計算などで有利に働く。

年収500万円の月々の手取り金額は33万円

年収500万円の場合、税金等を引いた手取り金額は約400万円と言われています。

実際には、月給とボーナスとに分かれてもらって貰っている人がほとんどでしょうが、単純化のために全て月給でもらったとすると月々の手取り金額は以下の通りになります。

  • 4,000,000円÷12ヶ月=333,333円/月

この33万円を基に、食費や生活費、教育費、交際費などを支払っていく形になります。

田島
田島
独身であれば十分な金額でしょうが、家族を養っていくには余裕があるとは言い難いですよね。

住宅ローン返済後に残る金額は25万円に満たない!?

住宅ローンを借りると、賃貸の家賃支払いの代わりに住宅ローンの返済負担が毎月襲ってきます(別途、固定資産税の支払いや修繕費の積立なども発生します)。

先ほど借入上限の目安とした2,500万円を借りた場合に、手許に残る金額を見てみましょう。

金利は金融機関毎で異なるのと、変動金利/固定金利で変わってくるので複数パターンを計算しました。

固定資産税や修繕積立金などにかかる金額を月2万円と仮定すると、いずれのケースでも手許に残る金額は25万円を切ってくる計算になりますね。

返済できない金額ではないでしょうが、余裕はほとんどなくなります
仮に年収が今後も横ばいの場合には、教育費やお小遣いなどを抑える生活になる覚悟は必要です。

田島
田島
奥さんが専業主婦、子供2人という家族構成の場合には、結構しんどい水準になるかと思います。

ちなみに、借入金額を2,000万円にすると、返済負担は2~3万円/月程度小さくなります。
結構インパクトは大きいですね!

住宅ローン減税による還付金で住宅ローン残高の1%が戻ってくる!?

住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)の要件を満たせば、新規借入から10年間は住宅ローン残高の1%分が、所得税および住民税から税額控除となります。

2,500万円のローン残高があれば、その1%は25万円ですから結構大きいですよね?

田島
田島
月換算では2万円程度の還付金額になります。

********************↓少し脱線↓********************

ただし、この住宅ローン減税には実はちょっと注意事項があります。所得税および住民税からの税額控除ですので、控除金額には当然上限があるんです。住宅ローン残高の1%が上限よりも大きければ、その部分は対象外となってしまうんですね。

住宅ローン減税の上限額
  • 所得税は納税額の満額まで
  • 住民税は納税額の満額or13.5万円の低い方まで

簡単に説明すると、上限額はこのようになっています。

年収500万円の場合、各種控除の状況によって上限金額は18~28万円程度と幅があります。

  • 独身の場合:所得税納税額14万円、住民税納税額24万円(うち13.5万円が対象)→27.5万円が住宅ローン減税の対象
  • 配偶者控除有りの場合:所得税納税額10万円、住民税納税額21万円(うち13.5万円が対象)→23.5万円が住宅ローン減税の対象
  • 配偶者控除と扶養控除有りの場合:所得税納税額5万円、住民税納税額13.5万円(うち13.5万円が対象)→18.5万円が住宅ローン減税の対象

※ 金額は概算になります。

住宅ローン減税を最大限享受しようとする場合、控除の内容に応じて借入すべき金額も1,800万円~2,800万円辺りで変わってきますので要注意です。

たとえば配偶者控除と扶養控除が両方ある場合、2,500万円住宅ローンの残高があっても還付は25万円ではなく、18.5万円となります。

田島
田島
損している訳ではありませんが、少しもったいないような感じがしますね!住宅ローン減税目的で大きく借りる場合にはご注意ください。

********************↑脱線終わり↑********************

住宅ローン減税は、残高が減れば効果は小さくなりますし、10年目以降は適用外となってしまいますが、借入当初はなかなか頼りになる存在ですので、こちらも考慮した生活費を考えていきましょう

年収500万円で2,500万円超の住宅ローンを組めるケース

ここまではあくまで定量的な年収500万円という基準だけで、住宅ローン金額を考えてきました。

ところが、実際には2,500万円はおろか、3,000万円を超える住宅ローンを組んでいる人も多くいます
どんなケースであれば可能なのか、紹介していきたいと思います。

ケース➀:今後の年収アップが堅く期待できる人

モデルケースは、大企業にお勤めの20代~30代前半です。

業種や企業にもよってきますが、日本の大企業のほとんどは未だに年功序列の賃金体系ですから、数年後にはほぼ確実に昇給しているだろうという人はごまんといます。

こういった人の場合、昇給後の年収を考慮してもらえますので、返済比率基準オーバーなどであっても審査を通過しやすいです。

田島
田島
僕も、こういう人からの申込で、借入金額3,500~4,000万円という内容の審査を、何件も通したことがあります。

このケースは審査が厳しいと言われる大手行でも、比較的通りやすいケースです。

住宅ローンを借りた後の生活に目を向けても、借入から数年は、

  • 養育費がまだそこまでかかっていない
  • 住宅ローン減税で生負担が軽くなっている

といった理由で、生活が逼迫している様子はあまりありません。

そして、生活費負担が重くなる前には年収が大きく上昇しており、
結局返済に特段困ることなく完済を迎えるという話をよく聞きます。

ケース②:配偶者に収入がある

続いて、よくあるケースが配偶者にも収入があるパターンです。

この場合、配偶者も「収入合算者」として“連帯保証人”にして申込することで、審査年収が500万円を超えていきます。
具体的には「収入合算者」の年収の半分を加算するのが通例ですので、3,000万円くらいまでの借入であれば突破できる可能性は高いです(3,500万円とかになると少し厳しいかもしれません)。

田島
田島
奥さんの雇用形態(正社員、資格持ちの職業、パートなど…)によって、収入合算の威力は変わってきます。

また、正式に収入合算として申込しなくても、口頭で伝えるだけでも若干プラスに見てもらえることもあります(承認すべきか否か本当に際どいときにの“あと一押し”として使える程度です)。

田島
田島
「夫婦両方の収入がないと返済不可能」という場合には、パートであっても「収入合算者」として正式に登場する必要があります。

最近は共働きの夫婦も多いので、収入合算での申込は実はかなり多いです。

注意点としては「収入合算者」はそのローンの“連帯保証人”となるので、法的には債務者とほぼ同等の返済義務が負われることです(万が一のときには揉めることになるかもしれません)

ケース③:実は金融資産を多く持っている

本当はここまで借りなくてもマイホーム購入資金は足りているんだけど、
金利も低いから借りておくか!といったケースです。

どちらかというと、40代~50代の方に多いですね。

このケースでは、しっかりと金融機関に保有資産を示すことが重要です。

それを持ってOKとするかNGとするからは各金融機関毎で対応が変わってきますが、
何もせずに「信じてくれ!」というのはあまりにお粗末です。

実際に借りてからもしっかりと資金管理をして、返済用の資産を残しておくこともお忘れなき様。

ケース④:担保保全が良好

土地を既に持っていて建物新築資金のみ住宅ローンを借りるケースや、
自己資金を多く投入して5,000万円とかの物件金額のうち一部を住宅ローンで借りる場合です。

この場合、金融機関側から見ると担保による保全がしっかり効いているので、収入面では多少無理があっても審査に通る可能性が高くなります。

ただし、実際の返済についてはここまで書いた内容と何の変化はありませんので、
借入後の実態は厳しいことに変わりない点はご注意ください。

年収500万円の住宅ローンまとめ

年収500万円で住宅ローンを組む場合について、簡単にまとめました!

年収500万円の住宅ローン

1.定量的な借入上限の目安は2,500万円。

  • 月に使えるお金は25万円を切ってくるので、ゆとりはなくなる水準
  • 年齢が高い場合には、定年時残債がやや大きいのが懸念点

2.こんなケースでは、2,500万円超も有り!

  • 今後の収入アップが堅く見込める企業にお勤め
  • 配偶者に収入がある
  • 実は金融資産を多く持っている
  • 担保の保全が十分

冒頭の方でも書きましたが、“年収500万円”と言っても本当に様々な人がいます。

今後収入アップの見込があれば、借入金額2,500万円は妥当か少し軽いくらいの水準ですが、
定年退職時まで年収500万円のままであれば、借入金額2,500万円は結構重い水準といえます。

年齢も考慮すべき要素の1つで、30代の2,500万円と、40代の2,500万円は意味合いが全く違います。

実際に借入金額を決める際には、このページを参考にしつつご自身の実態も踏まえて検討してみてください。

また、年収500万円だと、適用金利も申込内容次第で変わってきやすいです。
借入可否の確認を含め、早めに事前審査を複数行に出しておくことをお勧めします。

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