審査

住宅ローンの審査って本当に厳しいのだろうか?銀行員目線で語ってみた!

住宅ローンの審査に落ちたり、減額された人は揃って、

最近の住宅ローンは審査が厳しい!

という様なことをいいますが、実際のところどうなんでしょうか?

個人的には決してそんなことはないと思っています。

僕は審査が厳しいと言われている金融機関で、5年間住宅ローンの審査を何百件と見てきました。

その中で多くの減額回答、謝絶回答も行ってきましたが、「これはちょっと厳しすぎ!」という案件はもちろんあった一方で、大半の案件は然るべき回答であったという風に感じています。

ネット銀行、メガバンクの住宅ローン審査も別に厳しい訳ではない

審査が厳しい銀行といえば、主にネット銀行、メガバンクが挙がってきますが、銀行員の視点から見て、彼らは至って健全な審査を行っていると僕は見ています。

住宅ローンの審査が謝絶されたり、減額回答されたりする理由は案件で様々ですが、代表的な理由は以下の3つです。

田島
田島
謝絶よりも減額の場合がほとんどなので、「主な減額理由」として紹介します。

主な減額理由①:借入金額が大きすぎる

明らかに無謀だろうと思える申込が多いのが事実です。

年収の7倍とか8倍とか…「どうやって返済するつもりなんですか?」という金額を申し込む人は多数います。

普通の感覚でいったら、せいぜい年収の5倍くらいまでに抑えるのが妥当なのではないでしょうか・・・

年収400万円なら2,000万円まで。
年収500万円なら2,500万円まで。

住宅ローンって、響きはちょっとクリーンですけど実態は「借金」ですからね。

ここだけの話、審査の裏側では無茶な借入をしたがる人は金銭感覚を疑われています。

主な減額理由②:自己資金が全くない(担保余力がない)

このケースも非常に多いです。

自己資金なしがNGだという点については、考え方が2つあります。

1つは担保余力の問題です。

フルローンの場合、少しでも不動産価格が下落すれば担保評価は借入残高を下回ってしまいます。特に不動産価格が高騰している今、どこの金融機関も物件価格の下落リスクをかなり強く意識しています(大手行でこのリスク意識がない銀行はまずありません!)。

そんな危険な融資はしたくないので「担保余力を作るために一定の自己資金を出してよ!」というのが1つ目の考え方です。

ちなみに「担保掛目」という審査基準についてこちらの記事で解説していますので、ご興味がありましたら是非お読みください。

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そして、もう1つは身銭を切ることの価値です。

自己資金を入れるということは、それまでに貯金をしている必要があります。
貯金がある人というのは“無駄遣いの少ない人”、“計画性のある人”と見られ、今後も延滞の可能性が少ないと評価されるのです。

逆に、そこそこの年齢になっていくばくの貯金もできない人は“資金管理ができない人”と見られ、お金を貸すのは怖いと評価されてしまいます。

田島
田島
実際にそういう傾向が過去の返済実績から出ています。

また、他人から借りたお金だけで購入した家より、自分のお金を使って購入した家の方が手放しくないという心理が働きますよね。

自己資金の出所が自分の貯金ではなく、たとえば親からの援助であったとしても、
「せっかく援助までしてもらって購入したマイホームを手放すわけにはいかない!」となんとかして資金を作って住宅ローン返済に回す気が起きます。

 

そもそも大事な買い物をするのに、

全部人から借りたお金で支払うってどうなの?

という姿勢論的な話もあります。

それこそ昔はマイホーム購入のためには自己資金2割を出すのが普通と言われていました。

今のご時世で自己資金を2割まで出す人は少ないですが、せめて1割弱くらいは出すべきじゃないかという意見は結構色んな銀行員が言っていました。

田島
田島
大手行は「自己資金なし」が通るのは公務員大企業の社員ぐらいだという考えをしています。

主な減額理由③:物件に難がある

新築のマンションや分譲住宅ではほとんどありませんが、
土地購入の新築や、中古物件には意外とよくあるケースです。

“住宅として住めない”レベルの話はさすがに少ないですが、
いざ売却しようとしたときに値が付きにくくなるような難がある物件は実は多いのです。

お。なんかこの物件割安じゃん!

という様な物件はたいてい何かしら然るべき理由があるんですよね。

それはご自身が住むには問題がないかもしれませんが、
「担保」としての評価は将来的な“売却価格”になります。

減額の理由としては「担保評価額が低いから」と言われますが、裏を返すと「購入価格が割高だから」本来の物件価格に見合った金額に減額しているということです。

田島
田島
不動産業者経由の案件の場合言いにくい内容ですが、算定された担保評価額は“正しい”ものとして扱われます。

具体的には、

  • 「市街化調整区域」に属していて購入できる人が限られている
  • 地型が悪い
  • 軽微な違法建築

など色々あり、また、金融機関毎でも見方は異なります。

 

もちろん、金融機関側の評価額が妥当とはいえない(割安過ぎる)ケースもあります。

担保評価額は機械的なロジックで出されていることが多いので、「そういうものだ」という割り切りが必要なのは事実です。

 

ただし「本当に購入価格は妥当なのか?」という考え方も同時に持っておくと、
変に高値の物件を買わずに済むかもしれません。

謝絶、減額された場合はまずはその理由を真摯に受け止めましょう!

大手の金融機関ほど、実は理由もなしに住宅ローンを謝絶にしたりはしません。

「金融円滑化」という言葉を聞いたことはありますでしょうか?

簡単にいうと、

日本経済の発展のために、お金を借りたい人には貸すよう誠実に向き合いましょう!

から方針が出されているのです。

もし申込人の希望通りに貸出ができないなら、

ちゃんと納得のいくような説明をしなさいよ!

とも言われています。

 

だから、真面目に対応をしようとしている金融機関ほど、承認できない案件に対しては気を遣っている傾向があるのです。

申込した住宅ローンが謝絶や大幅減額になった場合というのは、プロの目から見て「借入金額が大きすぎる」とか「将来処分に困る可能性のある物件を購入している」とか何かしら相応しくないことが必ずあります。

田島
田島
中古物件の軽微な瑕疵などは、不動産会社もマイナスな側面を強く説明してはくれません。

謝絶されたり減額されたりするとショックもそれなりにあるかもしれませんが、
前向きに捉えれば「借り過ぎ」を止めてくれたとも言えます。

一度、ご自身の借入金額や購入物件を見直すきっかけにしてみると良いかもしれません。

住宅ローンの借入金額が過大になりがちな背景

そもそも住宅ローンの借入金額が全体的に大きくなってきているのは、ちゃんとした背景があります。

冷静に考えればすぐに理解できることですが、いざ「マイホームを購入するぞ!」という気持ちになっているときには忘れがちなことなので、この機会に是非考えてみてください。

背景➀:不動産価格が高騰している

リーマンショックで一度不動産マーケットは急激に沈みましたが、そこからじわじわと不動産価格は上がってきており、現在(2019年)では明らかに高騰していると言える環境にあります。

僕は銀行員時代、マンションデベロッパー向けの融資も担当していたのですが、1年で1,000万円以上値上がりしたマンションもあるという様な話をよく聞いていました。

田島
田島
「いつ値崩れするか分からないから、高値での仕入れはできない」とマンションを販売する側も警戒心マックスで考えています。

物件価格が上がれば購入に必要な資金も増えますので、借入金額も大きくなります。

今後も物件価格が上がり続ければ問題はありませんが、どこで大きく下落するか分からないのが不動産です。

僕が住宅ローンの担当をしていた頃、非常に印象的だったのがリーマンショック明けの2009~2010年頃です。
この頃、マンションを売却して戸建に住み替えしようとする人の相談を何件か受けていたんですが…どうしても実現できない人が何人もいました。

マンションの売却金額で既存の住宅ローンを返済できないんですね。

それも1,000万円ぐらい足りず。。。

既存の住宅ローン残高は3,000万円あるんだけど、売却予定のマンションの査定価格は2,000万円までしか出ない様なケースが本当に目立ちました。

田島
田島
どうすることもできませんでした。

自宅の価格が下がっても、借金は勝手に減ってくれません。

余計なお世話になるかもしれませんが、そういった点も考慮したうえで、マイホーム選びを進められるのが賢明かと思います。

不動産屋
不動産屋
物件やエリアによって、不動産価格も変動具合は異なりまっせ。

背景②:住宅ローンの条件が良すぎる

不動産価格が上がっているので何か好条件がないと誰も住宅を買ってくれなくなります。そこで、現在は住宅ローンが優遇されています。

ご存知の通り、金利は過去にないレベルに低い水準となっていますし、
税制面でも非常に魅力的な住宅ローン控除が用意されていますね。

これは購入者側にとっては良いことなんですが、

そういったエサに引っ掛かってないか?

というのが僕からのあえての投げ掛けです。

もちろん、それを踏まえて大きく借りるというのはアリなんですが、
借金であることに変わりはないことはお忘れなきようご注意ください。

いくら金利が低くても、借りたものは返さなければなりません。
仮に5,000万円を借りたら、月々の支払いがいくらだろうと最終的には5,000万円を支払わないといけないのです。

残念ながら、借入金額が勝手に減ることはありませんので(二度目ですね)、
ちゃんと返済できる金額、期間にて計画を立てた申込をしましょう。

住宅ローンの“厳しい”審査に引っ掛かってしまったら…

いわゆる“厳しい”審査に引っ掛かってしまっても、落ち込む必要は一切ありません!

良いきっかけだと捉え、次のアクションに移りましょう!

無理のない借入かどうかを考え直そう!

一度ストップがかかったのであれば、まずは謙虚に申込内容を見直しましょう。

  • 借入金額が大きすぎないか?
  • そもそも物件が高すぎではないか?
  • 自己資金をどこからか捻出できないか?
  • 奥さんの収入もローン返済に充てられないか?

色々と考えられることはあります。

また、銀行の担当にどうすれば審査承認されるのかを根掘り葉掘り聞いてみるのも手です。

「信用情報」や「反社会的勢力」などが理由であれば、どんなに聞いても「総合的判断です。」とシャットアウトされてしまいますが、細かく聞いてみると言葉を選びながら答えてくれる銀行もあります。

田島
田島
僕はほとんど正直に謝絶、減額理由は答えていました。でないと納得してくれないお客さんも多かったです。

減額理由が分かると、次に他行に申し込む際もポイントが分かるので審査を通しやすくなります。

「自己資金がない」だけなら、地方銀行に申込しよう!

審査の“厳しい”大手行では“フルローン”は通りにくいですが、
地方銀行や信用金庫などでは結構普通に通ります。

地方発展が目的なので形式的にOKな案件は積極的に取り組んでくれますし、
大手行にブランド力は劣る分こういうところで差別化しようという意向もあります。

大手行と比べて金利も実はそこまで大きくは変わらないので、
貸してくれる金融機関をしっかり利用しましょう。

ちなみに、各行の金利を見ながら複数の金融機関に申込するにはこんなサービスがあります。

「住宅本舗」の事前審査一括申し込みサービス

エリアや年収に応じた地方銀行をピックアップしてくれたりと非常に便利なサービスなのでこういうのを使ってみるのもアリでしょう。

→「住宅本舗」の公式サイトを覗く

時期を見送るのも一つの選択肢!

夢のマイホームをここで諦める訳には・・・

という気持ちも分かりますが、一旦見送るというのも選択肢の一つです。

5年もしたら住宅価格が安くなっているかもしれませんし、
勤続年数が伸びていれば、年収も貯蓄も増えていることでしょう。

焦って下手な買い物を無理な借金までして行うよりは、
タイミングを見定めた方が結果として良いことだってあります。

まとめ

「審査が厳しい」と聞くとネガティブなイメージが強いかもしれませんが、
銀行サイドとしても、せっかくいただいた申込をわざと厳しく見ようとはしていません。

一生に何回もある経験ではありませんので、厳しい審査にトライしてみることも経験と捉え、色々と申込してみると面白いかと思います。

また、金融機関毎で審査目線は本当に違います。

しっかりと金融機関を見定め、ご自身にあった住宅ローン選びが成功することを祈っています。